麻酔とは
麻酔に関する一般的な情報を掲載しています
麻酔の目的は、①鎮痛、②鎮静、③筋弛緩、④有害な反射の抑制により、患者さんの不安や緊張などの精神的ストレス、痛みという肉体的ストレスを軽減するだけでなく、術中の体動、手術侵襲による自律神経反射が引き起こす血圧上昇や頻脈などを抑制することで、手術を安全かつ円滑に行うことです。
麻酔を大別すると、区域麻酔と全身麻酔があります。臨床現場では、それぞれを単独で行う場合とこれらを組み合わせて使用することもあります。
区域麻酔は、局所麻酔薬を用いることで痛み刺激に関与するNaチャネルを非特異的にブロックすることで、意識を消失させることなく手術部位の除痛をする麻酔方法です。区域麻酔には、硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔、末梢神経ブロックなどがありますが、局所麻酔と呼ばれる局所浸潤麻酔や表面麻酔なども、広義には区域麻酔に含まれると考えられています。(日本区域麻酔学会教育ガイドライン2022)
全身麻酔は、主に脳に作用する鎮静剤(麻酔薬)を用いて、意識を消失させて人工呼吸下で管理されます。鎮静剤(麻酔薬)単独では全身麻酔の要件である鎮痛と不動化が実現できない為、全身麻酔では、鎮痛薬や筋弛緩薬が併用されます。
全身麻酔において使用される薬剤には、静脈麻酔薬と吸入麻酔薬があります。また、麻酔と併用される鎮痛剤には、術中に用いるオピオイド、術後に用いる非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどがあります。筋弛緩薬は神経筋肉接合部に作用し、体内の筋肉の動きを抑制して手術を円滑に進めるとともに、患者さんの体動を抑えて安全に手術を行うために使用します。
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